みなさんはGoogleの無料サービス「Googleトレンド」をすでにお使いでしょうか。
Googleトレンドは、2008年10月28日に米Google社から発表された、キーワードの検索ボリュームを時系列で表示するサービス「Google Trends」の日本語版です。
認知度はまだそれほど高くありませんが、実際に使ってみるとその有用性がわかります。今後のWeb活用の現場において、重要ツールの1つとなる可能性を秘めていると考えられます。
今回は、このGoogleトレンドがWebサイトの運営、ひいてはビジネスにとってどのように役立つのか、実例を交えてお伝えします。
Googleトレンドとは、Googleが提供する無料サービスの1つです。あるトピックについての関連キーワードを入力すると、Googleにおけるユーザーの検索ボリュームが時系列に折れ線グラフで表示され、その時々の「検索ユーザーの関心の高まり」が一目でわかるようになっています。
折れ線グラフに連動して表示される、トピックに関するGoogle Newsのヘッドラインにより、関心が高まった背景事情などを知ることもできます。

また国や地域ごとに条件を設定できるため、「世界と日本」「アメリカと日本」などの傾向の比較を行うことができます。
Googleトレンドの有用性としては、次の2点が挙げられます。
あるサービスに関連するキーワードを調べた際のGoogleトレンドの結果グラフは、そのサービスをビジネスとして今後展開していくべきかどうかの指標となり得ます。
Web運用・活用場面においては、Webサイト上で用いるべきキーワードや、作成するべきコンテンツテーマの方向性を定める1つの基準となります。
例えば、他国から輸入されたサービスが、自国内で今後どのように展開していくのか、その未来予測が可能です。
それでは実際のキーワードで、具体的な傾向分析・未来予想を行ってみましょう。
例えば、祝日などの毎年繰り返される事柄に関しては、関心の高まりに一定周期のあることが(Googleトレンドにかけなくても)予測されます。
周期性のあるトピックのグラフ上で注目するべきことの1つが、関心の高まりの「開始時期」です。2008年の様子を見てみましょう。

これを見ると、母の日(5月第2日曜日)に対しては4月の始めから(つまり約1ヶ月前から)、クリスマス(12月25日)に対しては10月の始めから(つまり約2ヶ月以上前から)、関心の高まり始めている様子がわかります。
例えば店舗でキャンペーンを行う場合などには、広告出稿その他の準備期間の目安として役立ちます。
過去から現在までの傾向が、右肩あがりなのかそうではないのか、といった単純な傾向からも将来の予測をすることができます。
激しいシェア争いが終息し、一般の人々の関心度にも明らかな傾向が見られるに至っている例です。

後発サービスが、先発サービスを大きく上回り、地位を固めつつある様子が見られます。
このように競争関係にある事物同士については、その時点における関心度の差のほか、その後の競争の行方を推し量ることができます。
同じ事物に関する言葉の変化を調べることができます。流行語の「婚活」が一般用語へと変化している様子がみられます。

「就職活動」対「就活」では、両者がいい勝負をしています。ピーク時にはまだ「就職活動」のほうが多いかもしれません。ニュースでは、すでに「就活」も一般的になりつつあることが、「ニュース参照数」グラフからわかります。

例えばSEO(検索エンジン最適化)を行う際、ある事物について複数のキーワードが候補として挙がったときに、いずれを用いるべきか、重視すべきか等の判断材料の1つとすることができます。
もともと海外のサービスで、後に日本で展開されたものの場合には、国ごとの関心度の傾向を時間軸をずらして比較することで、日本での今後の展開を予測できます。
例えば、CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)の代表格である「WordPress(ワードプレス)」と「Movable Type(ムーバブルタイプ)」とを比較してみましょう。
アメリカでは、2004年半ばから後半にかけて「WordPress」が「Movable Type」を追い抜き、その後も伸び続けています。現在、アメリカ(発祥の地)では「WordPress」が圧倒的に優勢です。

日本では、アメリカよりも約2年遅れで「WordPress」が「Movable Type」を追い抜いています。日本では、従来から使われていた「Movable Type」も今のところは健闘しています。ただしアメリカの例にならうなら、あとしばらくで「WordPress」が圧倒的な地位を占めることが予測されます。

同様に、スマートフォンの代表格、「iPhone」と「BlackBerry」とを比較してみましょう。
「iPhone」の優勢は世界もアメリカも日本もかわりません。
しかし「BlackBerry」の関心度は、「BlackBerry」を使っているオバマ大統領の影響でしょうか、特にアメリカでは高まっています。


一方、日本での関心度はまだまだ高くはありません。アメリカをはじめとする世界各国での関心度の高まりから、日本での今後の伸びが注目されます。ただし日本国内の特殊事情その他諸要素を加味して判断する必要があります。必ずしも日本が他国の傾向にならうとは限らない例です。

最後に「Google トレンド」(「Google Trends」)の検索ボリュームを日本とアメリカとで比較します。
アメリカでは発表当初から関心が高まり続けています。

実はGoogleトレンドの後継として、より詳細な傾向分析や地域間の比較分析ができる「Insights for Search」ベータ版(英語のみ)がすでに公開されています。
Googleトレンドの成功や傾向分析への関心の高まりを受けての後継版公開、という見方もできるでしょう。
http://www.google.com/insights/search/
一方、日本では日本語版が出た2008年、一時的に増えたのみです。しかし、今後、日本でもGoogleトレンドの有用性が認知されれば、アメリカのように検索ボリュームが増えていくかもしれません。

日本ではまだそれほど知名度のない今だからこそ、Google トレンドによる傾向分析には優位性があるといえるかもしれません。
Googleトレンドの基本的な操作方法は次の通りです。
Googleトレンド(日本語版・無料)
http://www.google.co.jp/trends
以上
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